はなしのはなし

11時頃突然保育園から携帯電話に連絡がった。
「チビ君がトイレで転んで前歯を折ってしまいました。歯医者に連れて行ったら医療センターに行くように言われたので延長が連れて行きます。」
どうやら母親は仕事で携帯電話に出られない状態らしくこっちにかけてきたようだ。すぐに保育園に向かう旨を伝えてそのgの連絡は全てこちらにと頼んだ。

保育園に迎えに行くと、唇が腫れあがったチビが園長先生に抱かれて待っていた。
前歯4本のうち、左側2本が抜かれていて、右寄り2本が歯茎に喰い込んでしまっている。抜かれている2本中1本は転んだ時に抜けてしまい、あと1本は病院で抜いたそうだ。残っている2本は段々に元に戻るだろうということで経過を見ることになったらしい。

トイレでオシッコをするときにうまく便器に近寄れなくて、便器の縁につかまろうとしたところ手が滑って、便器の中に顔を突っ込むような形で倒れたとか。その時に便器の縁を口で受け止めてしまったんだな。
顎を割ったり鼻を折ったり、まして頭蓋骨に何かあったわけではないのが不幸中の幸いだった。

考えられる原因は色々あるし対策もお願いしたが、何よりも感動したのはチビの態度だった。
大人だったりもう少し年齢が高ければおそらく、「あれが悪い。これのせいだ」と言っているだろうに、3歳半のチビにはその知恵がないからか、親の顔を見たとたん「トイレで転んじゃったのよ〜。痛かったのよ〜。父ごめんなさい」と言ったのだ。
自分が転んでしまったことで周りが大騒ぎしたのを気にして謝っているチビを見て、ある行為の結果たとえ自分が被害を受けたとしても、言い訳をしないっていうのは凄いことだなと思った。

生まれて初めての怪我は、かなり血が出た上にきれいに揃っていた前歯がなくなってしまうという、見た目にも影響の出てしまうものだったけれど、抜けたのはまだ乳歯だし、唇の腫れがひけばそんなに気にするほどのことではない程度のものだなと。
前歯の無いチビを見て、「ワルガキ度が上がったな〜」ってほくそ笑んでいたら女房に怒られた。